〔東京外為〕ドル、143円台半ば=日米財務相会談警戒で軟調(21日午後3時) 2025年05月21日 15時05分

 21日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日米財務相会談での円安是正要求を警戒した売りが続き、1ドル=143円台半ばで軟調となっている。このほか、財政悪化懸念で米国がトリプル安になることへの懸念も圧迫要因。午後3時現在、143円57~59銭と前日(午後5時、144円12~13銭)比55銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間は主要国株価指数の上昇を眺めて144円60銭台に買い戻された。米国時間の序盤は長期金利上昇に沿って、144円90銭台へ水準を切り上げた。中盤以降は長期金利の上昇一服や株安を受け、終盤には144円40銭付近へ軟化した。
 東京早朝は、イスラエルがイランへの攻撃を準備している、との報道でリスク回避ムードが広がり、144円10銭台に下落。午前9時以降は、144円05~35銭のレンジで上下動した。正午に向けては、日米財務相会談での円安是正要求を警戒した売りが再燃し、143円80銭台まで下押した。午後も売られがちとなり、ジリ安となった。
 加藤財務相は20日、日米財務相会談について、「為替を含めて2カ国間の諸問題について議論したい」と表明したが、それ以降、「米国から円安是正を求められることへの警戒感が重しになっている」(大手邦銀)という。
 また、時間外取引での米長期金利上昇を受け、「米国のトリプル安を懸念してドルは全般に売られる地合いになっている」(為替ブローカー)との声が聞かれる。
 ユーロは午後に入って対円で小安い、対ドルは強含み。午後3時現在、1ユーロ=162円68~72銭(前日午後5時、162円50~53銭)、対ドルでは1.1331~1332ドル(同1.1275~1276ドル)。

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