〔東京外為〕ドル、143円台後半=2週ぶり、日米財務相会談を警戒(21日正午) 2025年05月21日 12時10分
21日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日米財務相会談での円安是正要求を警戒した売りが優勢となり、1ドル=143円台後半に下落した。8日以来、約2週間ぶりの安値水準。正午現在、1ドル=143円85~86銭と前日(午後5時、144円12~13銭)比27銭のドル安・円高。
20日の海外市場では、欧州時間は主要国株価指数の上昇を眺めて144円60銭台に買い戻された。米国時間の序盤は長期金利上昇に沿って、144円90銭台へ水準を切り上げた。中盤以降は長期金利の上昇一服や株安を受け、終盤には144円40銭付近へ軟化した。
21日の東京早朝は、イスラエルがイランへの攻撃を準備しているとの報道でリスク回避ムードが広がり、144円10銭台に下落。午前9時以降は、前日終値付近で上下する日経平均株価や時間外取引での米長期金利をにらみながら、144円05~35銭程度でもみ合った。正午に向けては、日米財務相会談での円安是正要求を警戒した売りが再燃し、143円80銭台まで下押す展開になった。
加藤財務相は20日、日米財務相会談について、「為替を含めて2カ国間の諸問題について議論を行いたい」と表明。市場では、対日貿易赤字を削減するための一環として、米側から円安是正を求められるとの観測が広がっている。市場関係者は「海外時間を含め、ドル円は143円台前半まで下落する可能性がある」(シンクタンク)と予想していた。
ユーロは朝方に比べ対円でもみ合い、対ドルで上昇。正午現在、1ユーロ=162円87~88銭(前日午後5時、162円50~53銭)、対ドルでは1.1321~1321ドル(同1.1275~1276ドル)。