〔東京外為〕ドル、144円台前半=米金利上昇で小幅高(21日午前9時) 2025年05月21日 09時56分
21日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米長期金利上昇を眺めて、1ドル=144円台前半で小幅高となった。午前9時現在、1ドル=144円29~31銭と前日(午後5時、144円12~13銭)比17銭のドル高・円安。
20日の海外市場では、欧州時間は主要国株価指数の上昇を眺めて、144円60銭台に浮上。米国時間の序盤は、長期金利上昇を受けて144円90銭台に上伸した。終盤には、米長期金利の上昇一服などを映して、144円40銭付近へ水準を切り下げた。21日の東京早朝は、イスラエルがイラン攻撃を準備したとの報道でリスク回避ムードが広がり、144円10銭台に下落。その後は買い戻され、144円30銭台で推移している。
ドル円は、米金利上昇で水準を切り上げたものの、144円台では勢いが失せ、大きな方向感は出ていない。市場では、G7財務相・中銀総裁会議に合わせて開催が予定される日米財務相会談を見極めたいムードが強い。加藤財務相は「為替を含めて2国間の諸課題について議論を行いたい」と表明。米国からは対日貿易赤字を削減するための一環として、円安是正を求められるとの警戒感が根強い。また、赤沢経済再生担当相は今週中にも、トランプ米政権の高関税政策を巡って3回目の協議を行う見込み。赤沢担当相は米国に対し、自動車など一連の関税措置の見直しを改めて求めるもようだが、「早期に合意する可能性は低い」(国内銀行)との見方が支配的だ。財務相会談など日米の重要イベントを確認するまではポジションを一方向に傾けにくく、「ドル円は144円台を中心とした値動きにとどまる」(外為仲介業者)と予想されている。
ユーロは対円で上昇、対ドルは小幅高。午前9時現在、1ユーロ=162円88~90銭(前日午後5時、162円50~53銭)、対ドルでは1.1288~1288ドル(同1.1275~1276ドル)。