〔NY石油〕WTI反落、62.35ドル=2カ月半ぶり安値(19日) 2025年08月20日 05時09分

 【ニューヨーク時事】19日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ロシアによるウクライナ侵攻の停戦実現の可能性に期待が広がる中、対ロ制裁が緩和されるとの見方が強まり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.07ドル(1.69%)安の1バレル=62.35ドル。中心限月の清算値ベースでは、5月末以来約2カ月半ぶりの安値となった。10月物は0.93ドル安の61.77ドル。
 トランプ米大統領は18日、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州首脳とホワイトハウスで会談し、ロシアによるウクライナ侵攻に関し協議した。トランプ氏は将来のウクライナ再侵攻を防ぐ「安全の保証」に米国も関与する方針を確認したほか、合間にロシアのプーチン大統領とも電話会談を行い、2週間以内にロシアとウクライナの首脳会談を実施させる考えで一致した。ホワイトハウスでの会談では、停戦を飛び越え包括的和平を目指すべきだと唱えるトランプ氏と停戦を重視する欧州との違いも露呈し、対ロ交渉の行方を巡っては不透明感がくすぶる一方、和平交渉が進展し、ロシア産原油に対する制裁が緩和、あるいは解除される可能性があるとの楽観的な見方も浮上。需給緩和懸念から相場は終日マイナス圏を軟調に推移した。
 また、外国為替市場では対ユーロでドル高が一時優勢となった。ドル建てで取引される商品の割高感につながり、相場を圧迫する面もあった。
 ▽ガソリン=反落。中心限月9月物の清算値は0.97セント安の1ガロン=208.90セント。
 ▽ヒーティングオイル=続伸。9月物の清算値は1.08セント高の1ガロン=225.11セント。

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