〔NY金〕続伸、3325.70ドル(10日) 2025年07月11日 03時39分
【ニューヨーク時事】10日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、銅先物の上昇を眺めた買いが波及し、続伸した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比4.70ドル(0.14%)高の1オンス=3325.70ドル。
トランプ米大統領は9日夜、幅広い製品に使われる戦略物資としての位置づけから、銅の輸入に50%の関税を課すと表明した。また、資源国であるブラジルに50%の関税を賦課するとの書簡を送付。いずれも8月1日に発動する。これらの発表を受け、この日は銅先物相場が上昇し、その他の金属商品にも買いが波及。時間外取引で金相場は堅調に推移した。
しかし、米労働省が朝方発表した週間新規失業保険申請件数は4週連続で減少し、労働市場の底堅さを示唆する内容。また、セントルイス連銀のムサレム総裁は午前の会合で、高関税政策による物価への影響が一時的かどうかの判断は「時期尚早だ」と述べ、早期利下げに慎重な姿勢を明らかにした。
米連邦準備制度理事会(FRB)が前日公表した6月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、7月29~30日のFOMCでの利下げ検討を支持するメンバーは2人にとどまっていた。利下げ再開が9月以降になるとの見方が再び米長期金利を押し上げ、外国為替市場ではドルが主要通貨に対し上昇。ドル建てで取引される金の割高感が意識され、上値の重い相場展開となった。