〔NY石油〕WTI反発、73ドル台(17日午前) 2025年06月17日 23時24分
【ニューヨーク時事】17日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東の地政学的リスクの高まりを背景とした買いが再燃し、反発している。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前10時15分現在、前日清算値(終値に相当)比1.58ドル高の1バレル=73.35ドル。
イスラエルとイランの交戦が激化する中、英海事機関UKMTOは16日、エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡やペルシャ湾で電子妨害の増加が多数報告されていると指摘。船舶の位置情報が混乱し、ロイター通信によると、17日には石油タンカー2隻が衝突する事故が発生したという。イスラエルがイラン攻撃を開始した13日以降、主要なエネルギー施設は滞りなく操業を続けているものの、周辺一帯の供給網の混乱リスクに改めて警戒感が強まり、再び買いが優勢の展開となっている。
一方、国際エネルギー機関(IEA)は17日に公表した月報で、今年の世界の石油需要予測を下方修正。半面、供給予測を引き上げ、需給の緩みを示唆したことから、時間外ではマイナス圏に沈む場面もあった。