〔米株式〕NYダウ反落、88ドル安=ナスダックも安い(17日午前) 2025年06月17日 23時13分
【ニューヨーク時事】17日午前のニューヨーク株式相場は、緊迫する中東情勢への懸念を背景に売りが先行し、反落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前日終値比88.67ドル安の4万2426.42ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は67.08ポイント安の1万9634.13。
イスラエルは17日もイラン各地への攻撃を続行。イスラエル軍は同日、イランの首都テヘラン中心部で精鋭組織「革命防衛隊」のシャドマニ参謀長を殺害したと発表した。同氏は革命防衛隊や軍を指揮する立場だったとされ、イスラエル軍によると「(イラン最高指導者)ハメネイ師に最も近い人物」と見なされている。対するイランもイスラエルへ向けて多数の弾道ミサイルやドローンを数度にわたり発射。商都テルアビブなどで負傷者が出た。一部報道でトランプ米政権がイスラエルとの交戦停止や核交渉再開のため、週内の協議実現に向けイラン側と接触していると伝わる中、地政学的な不透明感は根強く、投資家心理を圧迫している。
米消費動向の鈍化傾向も相場の重し。米商務省が朝方発表した5月の小売売上高は前月比0.9%減少と、市場予想(0.7%減少=ロイター通信調べ)を下回った。変動の激しい自動車・同部品を除くと0.3%減少となり、予想の0.1%増加を下回った。
米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。市場では、政策金利の据え置きがほぼ確実視されている。会合後のパウエルFRB議長の会見から、今後の金融政策方針の手掛かりを得たいとの思惑も強い。
個別銘柄を見ると、TモバイルUSが3%超安。ソフトバンクグループ(SBG)がTモバイル株2150万株を1株224ドルで売却したと伝わった。一方、原油高を受け、シェブロンなど石油銘柄が買われやすい地合いとなっている。