〔東京外為〕ドル、143円台半ば=米中貿易協議進展期待で小幅高(6日午前9時) 2025年06月06日 09時19分

 6日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米中貿易協議の進展期待などから、1ドル=143円台半ばに小幅上昇した。午前9時は143円55~57銭と前日(午後5時、143円33~34銭)比22銭のドル高・円安。
 5日の海外市場では、米国時間の序盤は、週間新規失業保険申請件数が2週連続で悪化したことから、142円70銭台に下落。その後は、米中首脳が電話会談したと伝わると、貿易摩擦に対する警戒感が和らぎ、143円60銭台に上昇した。中盤は、トランプ米大統領が習中国国家主席との会談について、「非常に前向きな結論に至った」と述べたことが好感され、144円近くまで水準を切り上げた。終盤は、主要株価指数の下落を眺めて、143円40銭台に押し戻された。6日の東京早朝も、同水準で推移している。
 ドル円は、米中貿易協議が進展するとの見方や長期金利上昇に支援されたものの、144円を上抜ける勢いはなかった。市場では、米雇用統計の結果を見極めたいとのムードが強く、上値追いには慎重だった。市場関係者は「東京時間は、特段の材料は見当たらず、143円台でのレンジ推移にとどまる」(外為仲介業者)と予想する。
 5月の米雇用統計の市場予想(ロイター調査)は、非農業部門就業者数が前月比13万人増と前月から鈍化、失業率は横ばいの4.2%。低調な結果となれば、FRBによる早期利下げ観測が台頭し、ドル売りが強まる可能性が高い。
 ユーロは対円、対ドルで上昇。ECBが利下げを決めた理事会後の会見で、ラガルド総裁が「本日の利下げで、金融緩和サイクルの終わりに近づいている」などと述べたことから、ユーロ買いが強まった。午前9時は、1ユーロ=164円41~42銭(前日午後5時、163円57~60銭)、対ドルでは1.1452~1453ドル(同1.1412~1413ドル)。

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