〔NY石油〕WTI売り買い交錯、61ドル台(23日午前) 2025年05月23日 23時14分

 【ニューヨーク時事】週末23日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、売り買いが交錯し、荒い値動きとなっている。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前9時55分現在、前日清算値(終値に相当)比0.07ドル安の1バレル=61.13ドル。
 トランプ米大統領はこの日朝方、SNSに投稿し、欧州連合(EU)に対する貿易赤字に改めて不満を表明。6月1日以降、EUからの輸入品に50%の関税を課すべきだとの見解を明らかにした。これを受け、貿易摩擦の激化を背景としたエネルギー需要の減退懸念が再燃。相場は一時60ドル近辺と、1ドル超急落した。
 また、主要産油国による増産観測も投資家心理を圧迫。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は6月1日に会合を開き、7月の生産方針について協議する。有志8カ国は4月以降、自主的追加減産分の段階的な縮小を進めており、これまでに日量約100万バレルの増産を決定済み。さらに41万1000バレルの生産拡大に踏み切るとの見通しが強まっている。
 しかし、60ドル台ではまとまった買い戻しが入り、あと大きく反発するなど、荒い値動きとなっている。

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