〔NY石油〕WTI反発、70.56ドル(21日) 2024年10月22日 05時23分

 【ニューヨーク時事】週明け21日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中国の追加景気刺激策の発表や中東情勢の緊迫化などを背景に買いが膨らみ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月11月物の清算値(終値に相当)は前週末比1.34ドル(1.94%)高の1バレル=70.56ドル。12月物は1.35ドル高の70.04ドル。
 中国人民銀行(中央銀行)は21日、企業向け貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(LPR)1年物を0.25%引き下げ、3.10%に設定したと発表。世界最大の石油輸入国である中国が新たな景気支援策を打ち出したため、同国のエネルギー需要減速を巡る過度の懸念が幾分後退した。また、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコのナセル最高経営責任者(CEO)が21日、中国の景気刺激策を踏まえ、同国の石油需要に関して「かなり強気」な見方を示したとの報も支援要因。さらに、前週に値を下げた反動からこの日は買い戻しも入りやすくなり、相場は一時71ドル台に乗せた。
 中東情勢の緊迫化に伴い紛争が拡大し、石油供給の混乱を招くとの懸念も根強く、買い地合いを支えている。イスラエルは16日にイスラム組織ハマス最高指導者シンワル氏を殺害した後も、パレスチナ自治区ガザ各地でハマス掃討作戦を強化。ガザ保健当局は20日、ガザ北部ベイトラヒヤの住宅地が19日、イスラエル軍の空爆を受け、死者・行方不明者が計87人に上ったと発表した。一方、イスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍が交戦を続けるレバノンでは、イスラエル軍が20日夜から21日未明にかけて、同国内の金融機関の関連施設数十カ所を空爆した。軍は金融機関について、ヒズボラの活動を「資金面で支えていた」と主張しており、ヒズボラを支援するイランからの資金源を絶つ狙いがあるもようだ。
 ▽ガソリン=反発。中心限月11月物の清算値は1.27セント高の1ガロン=201.47セント。
 ▽ヒーティングオイル=反発。11月物の清算値は3.11セント高の1ガロン=218.33セントだった。

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