〔東京外為〕ドル、161円台後半=高値更新、クロス円の上昇で(3日午後5時) 2024年07月03日 17時05分

 3日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、クロス円の上昇などを受けて、1ドル=161円台後半と1986年12月以来、約37年半ぶりの高値を更新した。午後5時現在は、161円76~78銭と前日(午後5時、161円64~65銭)比12銭のドル高・円安。
 午前は、国内輸入企業の買いや日経平均株価の大幅上昇でじり高となり、161円60銭台に上昇し、前日の海外市場での下落分を取り戻した。
 午後は、クロス円の上昇や日経平均の上げ幅拡大などで前日の高値を上抜くとストップロスの買いを巻き込み、161円90銭台へ一段高となった。終盤にかけては、売買が交錯し、161円70~90銭でもみ合った。
 前日の米市場は、パウエルFRB議長が物価動向に関する「ディスインフレの道に戻っている」との発言がハト派的と受け止められ、市場は長期金利低下、ドル売りで反応した。
 東京市場のドル円は、豪ドル円などクロス円の上昇に連れ、買い戻しが強まった。市場関係者は「円の先安観が根強く、海外勢の円売りが止まらない」(国内銀行)と話す。また、トランプ氏が11月の大統領選で返り咲けば、財政拡大でインフレが再燃し、FRBは利下げできないとの見方も、ドル円の押し上げ要因になっている。
 米国時間に6月のADP全米雇用報告やISMサービス業PMIが発表される。債券と株式市場は、独立記念日の前営業日で短縮取引となる。市場の一部では、売買が薄くなるのを見計らって、政府・日銀が介入するのではと警戒する声が出ている。
 ユーロは対円、対ドルで上昇。ユーロ円も連日で史上最高値を更新した。午後5時現在は、1ユーロ=174円05~06銭(前日午後5時、173円25~27銭)、対ドルでは1.0758~0759ドル(同1.0718~0718ドル)。

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