〔東京外為〕ドル、161円台半ば=FRB議長発言受けて下落(3日午前9時) 2024年07月03日 09時07分

 3日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、パウエルFRB議長のハト派的な発言を受けて米長期金利が低下したことに圧迫され、1ドル=161円台半ばに下落している。午前9時現在、161円49~50銭と前日(午後5時、161円64~65銭)比15銭のドル安・円高。
 前日の海外市場では、欧州時間は161円60銭台でもみ合った後、米国時間の序盤は、パウエル議長のインフレ鈍化を見込む発言で161円20銭台に下落。その後、米雇用動態調査(JOLTS)が強めとなり、161円60銭台に再浮上。終盤は戻り売りに押され、161円40銭台に伸び悩んだ。東京時間の早朝も同水準。
 パウエル議長は2日、ポルトガルでのECB主催会合で、「インフレ鈍化の道に戻っている」と発言。年内利下げ観測が台頭し、米長期金利が低下したことがドル円の売りを誘った。一方で、5月の米JOLTSで非農業部門求人数が814万件と、市場予想(ロイター通信調べ=791万件)を上回ったことがドル円を支援した。
 米長期金利の低下は「引き続きドル円の重しになる」(FX業者)とみられるが、「需給的にはドルの買いがなお根強い」(大手邦銀)ため、強弱材料が交錯する中、東京時間は161円台半ばを軸にもみ合う公算が大きい。また、週末には米雇用統計を控えていることもあり、「積極的には動きにくいムードもある」(同)との声も聞かれ、目先は方向感が出にくいとみられる。
 ユーロは対円、対ドルで堅調。午前9時現在、1ユーロ=173円56~57銭(前日午後5時、173円25~27銭)、対ドルでは1.0748~0748ドル(同1.0718~0718ドル)。

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