クアッド重視確認へ=対米関係悪化も中国警戒―インド 2025年08月28日 18時19分

トランプ米大統領(左)とインドのモディ首相(AFP時事)
トランプ米大統領(左)とインドのモディ首相(AFP時事)

 【ニューデリー時事】インドのモディ首相にとって、29日の日印首脳会談はトランプ米政権との関係が悪化する中、日米豪印の連携枠組み「クアッド」を重視していることを確認する場となる。インドは中国との関係改善に動いているが、警戒を解いているわけではない。モディ氏は日本との関係強化を通じてクアッドの連携をアピールする見通しだ。
 モディ氏は石破茂首相との首脳会談で、中国を念頭に安全保障の連携を定めた共同宣言を17年ぶりに改定することで合意する。インド太平洋地域の民主主義国が参加するクアッドは中国をけん制する上で、インドにとっても重要だ。26日に記者会見したミスリ印外務次官は「(クアッドの)全てのパートナー国と協力を前進させていくことを楽しみにしている」と述べた。
 だが、米国との関係は冷え込んでいる。トランプ政権は27日、ロシアから原油を購入していることを理由に、インド製品に対する関税率を計50%に引き上げた。モディ首相は「どんな圧力がかかっても、耐える力を強化する」と、米国に屈しない姿勢を強調。トランプ大統領は過去数週間に、モディ氏に少なくとも4回電話したものの、同氏は応じなかったと報じられている。
 対照的に中印は急速に接近している。2020年の国境付近での武力衝突以降、両国関係は険悪な状態だった。しかし、今年7~8月に双方の外相が互いの首都を往来。8月31日に開幕する上海協力機構(SCO)首脳会議に出席するため、モディ氏が約7年ぶりに中国を訪れることが決まった。モディ氏は習近平国家主席と会談する見通しで、SCOに続いて北京で行われる軍事パレードを参観するとの観測も出ている。
 ただ、インドは「戦略的自律」を外交の基本としており、「反米陣営」に完全にくら替えする可能性は低い。インドのシンクタンク「オブザーバー研究財団」のハーシュ・パント副代表は地元紙への寄稿で、「地政学的な不確実性が長引く局面でインドの安定したパートナーに浮上するのは日本だ」と分析。米国との関係が揺らぐ一方、中国は依然競争相手であり「関係正常化の姿勢を見せても根底の不信感を解消できない」と指摘した。 

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