25年世界成長、2.9%に下げ=トランプ関税で不透明感―OECD予測 2025年06月03日 16時18分

4月30日、ドイツ・マンハイムの商業港に積み上げられた輸送コンテナ(EPA時事)
4月30日、ドイツ・マンハイムの商業港に積み上げられた輸送コンテナ(EPA時事)

 【パリ時事】経済協力開発機構(OECD)は3日発表した最新の経済見通しで、2025年の世界全体の成長率を2.9%と、3月の前回予測から0.2ポイント引き下げた。トランプ米政権の高関税政策で経済の先行き不透明感が強まり、景況感の悪化により「貿易・投資の抑制を招く」と指摘。26年の成長率も2.9%と予想した。
 予測は25年5月中旬時点の関税率が維持されることを前提にまとめた。OECDは「(経済)見通しはますます厳しくなっている」と分析。米国発の貿易戦争の拡大や、金融環境の引き締まりで「成長が一段と減速したり、国際的なサプライチェーン(供給網)に大きな混乱が生じたりする」事態に警鐘を鳴らした。
 25年の成長率見通しを国・地域別で見ると、1~3月期がマイナス成長だった日本は通年で0.7%と、前回予測から0.4ポイントの引き下げ。賃金上昇を背景に、個人消費など内需主導の伸びが期待される半面、米高関税で輸出は低調に推移する見込みだ。 

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