労働党、少数で政権維持か=豪総選挙3日に投票 2025年05月01日 17時46分

【シドニー時事】オーストラリア下院(定数150、任期3年)総選挙が3日に行われる。与党・労働党が選挙戦終盤で支持率のリードを保ち、第1党となる勢いだ。ただ、単独での過半数獲得は微妙で、小政党や無所属の協力を得ながら少数で政権を維持する可能性が高まっている。原発導入を公約する野党・保守連合は伸び悩み、政権奪還は厳しい情勢だ。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙の最新の世論調査によると、二大勢力に絞った支持率は、労働党が53%、保守連合が47%。「首相にふさわしい人物」は、アルバニージー首相が47%、保守連合を率いるダットン自由党党首が31%だった。
労働党は物価高騰で逆風下にあったが、追加所得減税や住宅購入支援策などを打ち出して持ち直した。アルバニージー氏は「不確実な時代には確実さが大事だ」と政権継続を訴える。
保守連合はガソリン税引き下げなどを掲げて対抗。ダットン氏は「労働党政権の3年間で暮らしは良くなったか」と問い掛け、巻き返しを図る。だが、原発公約の財源が不透明と指摘されている。
主な勢力の改選前議席数は、労働党77、保守連合53、無所属13、緑の党4。労働党は過半数76の確保を目指しているが、大都市郊外などで追い上げられ、過半数を巡るぎりぎりの攻防が続いている。
緑の党や無所属の多くは再生可能エネルギーを推進し、原発導入を目指す保守連合とは相いれない立場。労働党が過半数に届かない場合の協力相手となる見込みだ。
下院選と合わせ、上院(定数76)の約半数も改選される。
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