ミネベアミツミ、TOB価格上げ=芝浦電子巡り、台湾企業上回る 2025年05月01日 18時58分

記者会見後、撮影に応じるミネベアミツミの貝沼由久会長最高経営責任者(CEO)(中央)ら=1日午後、東京都千代田区
記者会見後、撮影に応じるミネベアミツミの貝沼由久会長最高経営責任者(CEO)(中央)ら=1日午後、東京都千代田区

 ベアリング大手のミネベアミツミは1日、センサー大手の芝浦電子に対するTOB(株式公開買い付け)に関し、買い付け価格を1株4500円から5500円に引き上げると発表した。芝浦電子に「同意なき買収」を仕掛けた台湾電子部品メーカーのヤゲオが提示した5400円を上回り、争奪戦は激しさを増している。
 買い付け期間は今月2日から6月2日までを予定。TOB価格引き上げに伴い、買収総額は当初想定していた最大約676億円から約826億円に膨らむ見通しだ。東京都内で記者会見したミネベアミツミの貝沼由久会長最高経営責任者(CEO)は「際限なく(価格競争を)やろうとは思っていない」と語った。
 また、芝浦電子は1日、ミネベアミツミのTOBに賛同を表明、株主にも応募を推奨した。会見に同席した葛西晃社長は「(ヤゲオとは)企業文化、風土に大きな隔たりがある」と述べた。
 ヤゲオは2月、芝浦電子の同意を得ないまま1株4300円でTOBに踏み切ると発表。ミネベアミツミは友好的な出資者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」として4500円でTOBを始めると表明した。これに対しヤゲオはTOB価格を5400円に引き上げていた。
 ミネベアミツミの価格引き上げを受け、ヤゲオは1日、TOB開始時期を5月7日から延期すると発表した。今月中旬の開始を目指し、買い付け条件の変更も検討しているという。 

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