反撃能力の「目」、衛星網整備=長射程ミサイル配備本格化―防衛費、過去最大の8.5兆円・概算要求 2024年08月30日

 防衛省は30日、2025年度予算の概算要求を発表した。総額は過去最大の8兆5389億円。中国や北朝鮮の軍備強化をにらんだ反撃能力(敵基地攻撃能力)整備のため、多数の小型衛星で標的を追尾する「衛星コンステレーション」構築に3232億円を計上。長射程ミサイル配備も本格化させ、遠方の目標を攻撃する能力の具体化を進める。
 当初は8兆4989億円とする方針だったが、400億円増額した。政府は防衛力強化のため23~27年度に計43兆円の防衛費を費やし、最終年度は8兆9000億円とする計画。
 敵の射程外から攻撃する「スタンド・オフ防衛能力」に9700億円を充てた。衛星コンステレーションは、同一軌道上に多数の小型画像衛星を並べ、継続的に目標を探知・追尾する反撃能力の「目」となる。6年間の計画で民間に委託。25年度に打ち上げを始め、27年度から運用を開始する見通しだ。 

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防衛省が2025年度予算概算要求に盛り込んだ「衛星コンステレーション」のイメージ図(同省提供)
防衛省が2025年度予算概算要求に盛り込んだ「衛星コンステレーション」のイメージ図(同省提供)

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