住宅地31年ぶり上昇=全用途平均もプラス―コロナから回復傾向・基準地価 2022年09月20日

 国土交通省は20日、2022年の基準地価(7月1日時点)を公表した。新型コロナウイルスの影響で弱含んでいた住宅や店舗などの需要が戻り、全用途平均は0.3%伸びて、3年ぶりに上昇した。このうち住宅地は31年ぶりのプラスとなり、14都道府県で上昇。32府県でマイナスとなったが、多くは下落率が縮小し、全国的に地価の回復傾向が見られた。
 住宅地は0.1%の上昇。低金利や国による住宅取得支援策などが、需要を下支えした。国交省の担当者は「東京圏や名古屋圏に加え、札幌、仙台、広島、福岡の『地方4市』を中心に住宅需要が回復して、それが全国的に広がった」と話している。商業地は0.5%伸び、3年ぶりにプラスに転じた。個人消費の持ち直しのほか、マンション用地やオフィスの需要の高まりが要因。
 圏域別に見ると、三大都市圏では前年に横ばいだった住宅地がプラスとなり、商業地も上昇率が前年から拡大した。東京圏、名古屋圏に比べて回復のペースが遅れていた大阪圏も、住宅地、商業地ともに下落から上昇に転じた。
 地方圏のうち札幌、仙台、広島、福岡の4市は、住宅地、商業地とも再開発事業の進展などにより上昇を継続。4市以外はマイナスが続くが、全用途平均のほか、住宅地と商業地のそれぞれで下落率は縮小した。
 都道府県別では、住宅地の変動率がプラスだったのは14都道府県で、前年の7都道県より増加。商業地も18都道府県で上昇し、前年の6県を上回った。
 全国で最も地価が高かったのは、住宅地が4年連続で「東京都港区赤坂1の14の11」、商業地が17年連続で東京都中央区銀座2の6の7の「明治屋銀座ビル」。それぞれ1平方メートル当たり504万円(前年487万円)、3930万円(同3950万円)だった。 

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明治屋銀座ビル=16日午前、東京都中央区
明治屋銀座ビル=16日午前、東京都中央区

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