8月貿易赤字、過去最大2.8兆円=資源高・円安で膨らむ―電気・ガス代に値上がり圧力 2022年09月15日

 財務省が15日発表した8月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆8173億円の赤字だった。赤字額は比較可能な1979年以降で過去最大を記録。資源価格高騰と円安が赤字を膨張させる構図が続いており、電気・ガス代への値上がり圧力が一段と強まっている。
 貿易赤字額が最大を更新するのは、東日本大震災後の原発稼働停止に伴い、火力発電用燃料の輸入が増加した14年1月(2兆7951億円)以来、8年7カ月ぶりとなる。
 8月の輸入額は前年同月比49.9%増の10兆8792億円と過去最大。石炭が241.0%増、液化天然ガス(LNG)が140.1%増にそれぞれ膨らみ、原油は90.3%増を記録した。穀物類や肉類などの食料品も35.0%増えた。
 輸出額は22.1%増の8兆619億円と8月としては最大となった。急速な円安を追い風に自動車が39.3%増と好調だったほか、中国向けなどの半導体製造装置が22.4%増と伸びた。 

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