概算要求110兆円超=防衛・社会保障費膨らむ―歳出総額は最大へ、来年度予算 2022年08月31日

 財務省は31日、各省庁からの2023年度予算の概算要求を締め切った。一般会計の要求総額は110兆円超となり、22年度予算の概算要求(111兆6559億円)に次いで過去2番目の水準となる見通しだ。防衛費の要求が過去最大となったほか、新型コロナウイルス対策に伴う国債費の増加や高齢化に伴う社会保障費の自然増が主因だ。
 一方、防衛費や物価高対策など幅広い分野で金額を示さない「事項要求」が相次いでおり、年末に閣議決定する当初予算案は歳出総額が11年連続で過去最大を上回る公算が大きい。
 岸田文雄首相が防衛力の抜本的強化に向けて「防衛費の相当な増額」を表明したことを踏まえ、防衛省は過去最大の5兆5947億円を要求。敵の攻撃圏外から撃てる長射程のスタンド・オフ・ミサイル配備など金額を明示しない「事項要求」は100件超盛り込んだ。
 厚生労働省の要求額は社会保障費の増加も踏まえた33兆2644億円。同省の要求額としては過去2番目の水準だが、来年4月に創設される「こども家庭庁」分として移管された子育て支援などを含めると実質的に最大規模となる。
 財務省は国債の償還や利払いに充てる国債費について、想定金利を1.3%に引き上げた上で26兆9886億円を要求。要求段階での金利引き上げは07年度以来16年ぶり。コロナ・物価対策予備費は事項要求として規模を調整する。 

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2023年度予算の概算要求を受信する財務省の担当者=31日午後(財務省提供)
2023年度予算の概算要求を受信する財務省の担当者=31日午後(財務省提供)

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