トヨタ、純利益2.3兆円に=円安寄与し上方修正―23年3月期予想 2022年08月04日

 トヨタ自動車は4日、2023年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を修正し、純利益の見通しを前期比17.2%減の2兆3600億円に引き上げた。従来予想は2兆2600億円。鋼板など資材価格の高騰が重荷となるものの、大幅な円安が収益を押し上げると見込んだ。
 通期の想定為替レートは、3月以降に進行した円安を踏まえ、1ドル=130円(従来予想115円)、1ユーロ=140円(同130円)に修正。これにより海外売り上げの円換算額が上振れし、売上高に当たる営業収益も9.9%増の34兆5000億円(同33兆円)に上方修正した。
 一方、本業のもうけを示す営業利益は19.9%減の2兆4000億円で据え置き。円安効果を見込むが、資材費の一段の高騰や子会社である日野自動車の不正問題に伴う業績悪化など、リスク要因を織り込んだ。
 資材高騰は、営業利益を通期で1兆7000億円押し下げる見通し。ただ、国内販売価格への転嫁について、トヨタは「顧客に常識では考えられないほど納車を待ってもらっている。単純な値上げは申し訳なくてできない」と慎重な構えだ。 

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トヨタ車の販売店の看板=東京都内(AFP時事)
トヨタ車の販売店の看板=東京都内(AFP時事)

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