デジタル人材共有へモデル事業=複数自治体で専門家確保―総務省 2022年07月30日

 総務省は2023年度、デジタル人材へのニーズが高まる中、複数の自治体が外部の専門家を共有するモデル事業に着手する方針だ。市町村業務に必要な人材の確保を支援するのが目的。意欲のある地域を選定し、人材バンク構築などを後押しする。事業の成果を基に取り組みの進め方を手順書などにまとめ、他の自治体への情報提供も目指す。23年度予算概算要求に関連経費を盛り込む方向で検討している。
 自治体のデジタル化をめぐっては、マイナンバーカードの普及促進や行政手続きのオンライン化といった課題が山積。総務省は、外部専門家の活用を含め自治体に対応を求めている。ただ、あらゆる業界でデジタル人材のニーズは高まっており、各市町村が専属の担い手を確保するのは難しいとみられる。
 そこで総務省は、複数の自治体がデジタル人材を共有する手法を各地に広められないか検討してきた。モデル事業では、都道府県が市町村と協力するタイプや、規模の大きい市が核となる「連携中枢都市圏」といった単位で市町村がまとまるタイプなど、複数の形態での実施を想定している。
 デジタル人材の共有では先行する地域があり、総務省はこうしたケースも参考にする。例えば愛媛県は県内20市町と連携して「高度デジタル人材シェアリング」事業を展開。任命した5人の外部専門家が、市町からデジタル化の課題を聞き取ったり、相談に応じたりしている。
 広島県福山市など8市町でつくる備後圏域連携中枢都市圏は、「びんご兼業・副業人材バンク」を設置。データベースに登録されたIT企業社員らが、市町の課題解決に当たる。 

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総務省などが入る中央合同庁舎第2号館=東京都千代田区
総務省などが入る中央合同庁舎第2号館=東京都千代田区

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