大手企業賃上げ率、2.27%=4年ぶり前年超え―経団連の春闘最終集計 2022年07月27日

 経団連は27日、大手企業の2022年春闘妥結結果(最終集計)を公表した。定期昇給とベースアップを合わせた月例賃金の上昇率は2.27%(前年は1.84%)、引き上げ額は7562円(同6124円)で、それぞれ4年ぶりに前年実績を上回った。新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことで企業活動が再開。業績が向上し、賃金引き上げの原動力になった。
 ただ上昇率、引き上げ幅ともにコロナ禍前の19年実績(2.43%、8200円)には届かなかった。経団連は「同じ業種同士でも、大企業は業績に格差が生じやすい」(労働政策本部)と分析している。
 業種別でみると、上昇率が最も大きかったのは鉄鋼の2.98%。建設2.97%、繊維2.60%と続き、全16業種中14業種で上昇率が前年実績を上回った。一方、商業、貨物運送の引き上げ率は前年を下回った。特に商業は百貨店の業績回復の遅れが響いた。
 経団連の十倉雅和会長は27日、首相官邸で記者団の取材に応じ、今後の春闘について「物価が上昇しており、そういうときに持続的な賃上げを進めるのが課題だ」と述べた。 

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