米アップル、EU提訴=制裁金850億円、「法の要求上回る」 2025年07月08日 09時49分

【シリコンバレー時事】米アップルは7日、欧州連合(EU)欧州委員会から5億ユーロ(約850億円)の制裁金を科されたことを不服として、EUの下級審である一般裁判所に提訴したと発表した。アップルは声明で、「欧州委の決定と前代未聞の制裁金は法の要求をはるかに上回る」と批判した。
欧州委は4月、アップルがアプリ配信サービス「アップストア」で、アプリ開発者が外部サイトでの安価な購入方法を紹介することを制限するなどし、消費者の利益を損なったと指摘。巨大IT企業の自社サービス優遇などを禁じた「デジタル市場法(DMA)」に違反したとして制裁金を科すと発表した。2024年3月に本格運用が始まった同法による初めての制裁認定となった。
アップルは声明で、制裁金が科される以前から欧州委の指摘に基づきストアの運用を変更してきたものの、欧州委はさらなる対応を要求したほか、外部誘導の定義を不当に拡大解釈してきたと説明。その結果、ストアの規約などが開発者を混乱させ、利用者の利益を損なっていると主張した。