イスラエル首相、ハマス壊滅「諦めない」=ガザ占領巡り7日にも治安閣議 2025年08月06日 14時22分

イスラエルのネタニヤフ首相=7月27日、エルサレム(AFP時事)
イスラエルのネタニヤフ首相=7月27日、エルサレム(AFP時事)

 【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は5日、軍の基地を訪問し、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦に関し、「敵(イスラム組織ハマス)の壊滅のほか人質解放を完了させることが必要だ。われわれはこれらの任務の一つたりとも諦めない」と強調した。ロイター通信が報じた。
 ネタニヤフ氏がガザ全域を占領する方針に傾いているとイスラエルメディアが報じる中、ハマスへの軍事的圧力をさらに強化する意思を明確にした形だ。
 ロイターなどによると、イスラエル首相府は5日、ネタニヤフ氏がガザ戦闘での新戦略を話し合うため、治安当局幹部らと会談したと明らかにした。治安閣議を7日にも開き、ガザ「完全占領」の方針について了承を得たい考えとみられる。
 ただ、完全占領の方針が報じられると、国連やパレスチナ当局などから批判の声が上がった。国連高官は5日、安保理の会合で、ガザでの作戦の拡大は「数百万人のパレスチナ人にとり破滅的な結果をもたらすほか、(ハマスの拘束する)人質の命を危険にさらす恐れがある」と批判した。
 AFP通信によれば、ハマスのバドラン幹部はイスラエルのガザ占領方針について、停戦交渉における自分たちの立場を変えるものではないとの見解を表明。改めて「戦争と飢餓の終息」を求めた。
 一方、イスラエル寄りの姿勢を取るトランプ米大統領は5日、米国がガザ占領を支持するか問われ、「分からない。イスラエル次第だ」と述べるにとどめた。
 イスラエル軍はネタニヤフ氏の占領方針に反対しているとされる。だが、首相府は声明で、「(軍は)治安閣議でなされたいかなる決定も履行する準備ができている」と強調した。 

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