停戦監視団が現地視察=「合意違反」で非難の応酬―タイ・カンボジア衝突 2025年07月30日 18時24分

武力衝突の跡を視察する日本の防衛駐在官(右から3人目)ら=30日、カンボジア北部プレアビヒア州(カンボジア情報省のフェイスブックより)
武力衝突の跡を視察する日本の防衛駐在官(右から3人目)ら=30日、カンボジア北部プレアビヒア州(カンボジア情報省のフェイスブックより)

 【バンコク、北京時事】タイ・カンボジア国境紛争の停戦合意は30日、発効から2日が経過した。仲介したマレーシア主導の監視団が係争地を訪れる中、合意違反の攻撃があったとするタイと全面的に否定するカンボジアの非難の応酬が続いた。今後は国際的な監視枠組みの下で停戦が着実に履行されるかが焦点となる。
 カンボジアメディアによると、マレーシア軍の司令官が率いる停戦監視団は29日にカンボジアに到着。同日夜には国境地帯に入り、タイ・カンボジア両軍の司令官と会った。
 カンボジア国防省の報道官は30日、「監視団は紛争の再発防止で重要な役割を果たす」と強調。日本を含む各国のカンボジア駐在武官らもこの日、同省の招待で北部プレアビヒア州の紛争地を訪問し、カンボジア軍から説明を受けるなどした。
 タイ政府は29日に続いて30日も東北部シーサケート県の軍の拠点が攻撃を受けたと主張。「カンボジアの誠意の欠如を示している」と批判する声明を出した。
 これに対し、カンボジア外務省は29日付の声明で「タイ政府の発表はでっち上げで、カンボジアは停戦合意違反と解釈される行動は一切していない」と反論した。 

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