「米朝首脳の関係悪くない」=非核化拒否も会談に含み―与正氏 2025年07月29日 06時56分

北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長=2019年3月、ハノイ(AFP時事)
北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長=2019年3月、ハノイ(AFP時事)

 【ソウル時事】北朝鮮の金与正朝鮮労働党副部長は28日の談話で、トランプ米大統領と金正恩総書記との「個人的関係は悪くない」と述べ、米朝首脳会談の可能性に含みを持たせた。米国に対し、「核保有国」としての地位を認めた上で、非核化を交渉の前提としないよう求めた。朝鮮中央通信が29日伝えた。
 与正氏は正恩氏の妹。談話では「わが国が不可逆的な核保有国の地位と能力を持ち、地政学的環境も根本的に変わった」と主張。「米国が現実を受け入れなければ(米朝の)接触は米国の希望に終わる」として、「核を保有する二つの国が対決の方向に進むことは互いの利益にならない」と訴えた。
 トランプ氏は1期目の2018~19年に正恩氏と3回会談したが、19年2月のハノイでの会談は非核化の進め方を巡って決裂した。北朝鮮は核・ミサイル開発を加速し、23年には憲法に「核保有国として核戦力を高度化する」と明記すると決めた。
 トランプ政権は北朝鮮の非核化に向けた対話の再開を目指しているが、与正氏は談話で「今は18年や19年ではない」と言及。「核保有国の地位を否定しようとするいかなる試みも徹底的に排撃されるだろう」と警告した。 

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