アステラス社員、上訴せず=実刑判決が確定―中国 2025年07月28日 19時12分

アステラス製薬社員に有罪判決を言い渡した中国の北京市第2中級人民法院(地裁)=16日、北京
アステラス製薬社員に有罪判決を言い渡した中国の北京市第2中級人民法院(地裁)=16日、北京

 【北京時事】中国の裁判所でスパイ罪で懲役3年6月の実刑判決を受けたアステラス製薬の60代の日本人男性社員が上訴しなかったことが分かった。在中国日本大使館が28日、明らかにした。同日が上訴の期限だった。判決は確定し、男性は服役することになる。
 男性は2023年3月、駐在の任期を終えて帰国する直前に中国当局に拘束され、24年8月に起訴された。今月16日に開かれた判決公判で、北京市第2中級人民法院(地裁)は、男性が中国の政治経済に関する情報を情報機関に提供し報酬を得たとしてスパイ活動を認定。実刑判決を言い渡した。
 中国の裁判は二審制。一審判決に不服がある場合は上訴できるが、男性は判決内容を受け入れた形だ。約2年4カ月にわたり拘束されており、未決勾留期間は刑期に算入される。
 男性ら邦人の拘束は日中間の懸案の一つで、日本政府は繰り返し早期釈放を求めてきた。男性の刑期は、スパイ活動で実刑判決を受けた邦人の中では比較的軽い。習近平政権は対日関係の改善に乗り出しており、量刑に配慮したという見方がある。 

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