地方警察への調査打ち切り=黒人への過剰実力行使、是正に逆行―米司法省 2025年05月22日 05時58分

【ワシントン時事】米司法省は21日、警官による黒人への過剰な実力行使を巡り、バイデン前政権が着手した一部州の警察当局への調査を終了させると発表した。前政権は法執行時の人種差別を是正するため、連邦政府による地方警察への監督を強めてきたが、トランプ政権が覆した形だ。
2020年に中西部ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさん=当時(46)=が制圧時に白人警官に首を圧迫され、死亡した事件から25日で5年を迎える。事件は大規模な抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切)」を巻き起こし、警察制度改革の必要性が叫ばれるきっかけとなった。
ガーランド前司法長官は23年の報告書で、ミネアポリス市警が「日常的に過剰な実力を行使し、黒人や先住民を差別していた」と指摘した。司法省は21日、この報告書を撤回することも明らかにした。