「中国人『上司』が詐欺強要」=ミャンマーから保護の少年 2025年02月18日 19時13分

【バンコク時事】ミャンマーの対タイ国境近くの中国系犯罪組織の拠点にいた日本人の少年(16)が「中国人の『上司』に特殊詐欺を強要された。拒否すると1回脚に電気ショックを受けた」と証言していることが18日、分かった。少年を保護したタイ警察の幹部が明らかにした。
少年は愛知県在住の高校生。既に日本に帰国しており、県警が詳しい事情を聴いている。
タイ警察によると、少年は昨年11月、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を通じて知り合った人物から海外でのオンライン関連の仕事を紹介された。同12月2日に1人でタイに渡航。バンコク近郊の空港に迎えに来た面識のない男の車に乗ったところ、約6時間かけて北西部メソトまで連れて行かれた。ホテルで1泊後、別の人物と共に川を渡り、ミャンマー東部カイン(カレン)州のミャワディに到着した。
「職場」とされる場所は特殊詐欺の拠点で、少年は中国人の「上司」からうその電話をかける「かけ子」として、警察官を装い日本人をだますよう命令された。「従わなければ腕立て伏せをさせたり、電気ショックを与えたりする」と脅された。
日本の捜査関係者によると、少年は愛知県警の調べに対し「同じ敷地内に職場と住宅が整備されていた。ノルマを課され、報酬も受け取った」と説明。「他にも8人ほどの日本人が詐欺に従事していた」と語っている。
少年は今月に入って家族に助けを求め、12日にタイ当局に保護された。