「タイのハチ公」話題に=死亡の飼い主待ち続け 2025年02月15日 05時29分

タイで「コラートのハチ公」として話題になり、王族に引き取られた犬の「ムーデーン」(シリパージュタポーン王女基金のフェイスブックより・時事)
タイで「コラートのハチ公」として話題になり、王族に引き取られた犬の「ムーデーン」(シリパージュタポーン王女基金のフェイスブックより・時事)

 【バンコク時事】タイ東北部ナコンラチャシマ県(通称コラート)で、飼い主の男性が死亡後も男性が倒れた店の前にとどまり続けた犬がいた。亡くなった飼い主を東京・渋谷駅前で待ち続けた忠犬ハチ公の物語はタイでも有名で、「コラートのハチ公」と話題に。現在は王族に引き取られ、元気に暮らしている。
 犬は7歳ぐらいの雌で、名前はタイ語で「赤い豚」を意味する「ムーデーン」。飼い主の男性は昨年10月、コラート中心部のコンビニ前で倒れ、病院に搬送されたが死亡した。
 一緒にいたムーデーンは、その後もコンビニ前で男性を待ち続けた。コンビニ店主のシヌゴーンさん(52)ら地元住民が餌をやり世話をしていたが、嘔吐(おうと)するなど次第に体調が悪化。かわいそうに思ったシヌゴーンさんがSNSに投稿すると、地元メディアでも取り上げられた。
 国王のめいで動物好きで知られるシリパージュタポーン王女が育てることを申し出て、今年1月から宮殿で暮らしている。シヌゴーンさんは、取材に対し「日本のハチ公の物語は知っていて、ムーデーンも同じだと思った。今は幸せそうでうれしい」と話した。 

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