人質全員の早期解放を要求=トランプ氏、ガザ停戦破棄も示唆―ハマス延期発表で圧力 2025年02月11日 18時25分

【ワシントン、カイロ時事】トランプ米大統領は10日、パレスチナ自治区ガザでの停戦を巡り、イスラム組織ハマスが15日までに人質全員を解放しなければ「全ては白紙になる。地獄のような事態が起きる」と述べ、ハマスとイスラエルの停戦合意が破棄される可能性を示唆した。ホワイトハウスで記者団に語った。
これに先立ちハマスは10日、イスラエルの合意違反を理由に15日に予定されている次回の人質解放を延期すると発表。これを受け、トランプ氏はハマスへの圧力を一段と強めた形だ。
ただ、停戦合意では1月19日に始まった6週間の停戦第1段階でハマスが拘束する人質33人を解放。その後の第2段階で残る人質全員が解放されることになっている。AFP通信によると、ハマス幹部はトランプ氏の要求について「事態を複雑化させるだけだ」と述べ、あくまで合意を尊重すべきだと訴えた。
ハマスは解放延期の根拠について、イスラエル軍が住民のガザ北部帰還や人道支援物資搬入を妨げたり、住民を攻撃の標的にしたりしたと説明している。イスラエルのカッツ国防相はハマスの発表に対し、停戦合意の「完全な違反」だと非難し、「ガザで起こり得るあらゆる状況に備えた最高レベルの警戒態勢」を軍に指示。イスラエルのメディアによれば、ネタニヤフ首相は2月11日、ハマスへの対応などを協議するため治安閣議を開いた。