市民ら歓声「抑圧の終わり」=反体制派の首都制圧―シリア 2024年12月08日 17時42分

8日、ダマスカスのウマイヤ広場に集まるシリアの反体制派と市民(AFP時事)
8日、ダマスカスのウマイヤ広場に集まるシリアの反体制派と市民(AFP時事)

 【イスタンブール時事】反体制派勢力が制圧を宣言したシリアの首都ダマスカスでは8日、大勢の人々が街頭に繰り出して歓声を上げた。「抑圧と独裁が終わった」「信じられない」。長期に及んだアサド独裁政権下で苦しめられた市民は歓迎ムードに包まれている。
 「解放は容易ではなかった。うれしくてほっとしている」。ダマスカス在住の主婦オム・ヌールさん(26)は時事通信の電話取材に、涙にむせびながら安堵(あんど)の声を上げた。夫と一緒に外に出ると、若者らが上空へ発砲して喜びを爆発させていた。ただ、独裁政権の崩壊後に混乱したイラクやリビアを引き合いに出し、「国の将来が心配だ。武装勢力同士が戦い続けないでほしい」とつぶやいた。
 SNSでは、制圧が伝えられた8日未明にダマスカス中心部のウマイヤ広場で、政権軍が放置した戦車と写真撮影する市民らとされる動画も。人けのない大統領官邸の建物や敷地内とされる場所に市民が入り、自由に歩き回る様子も投稿された。アサド政権を支援してきたイランの在シリア大使館は襲撃を受けたという。
 内戦で国外へ逃れたシリア人も歓喜に沸いた。北部アレッポ出身で、今はトルコの首都アンカラに住む男性ムハンマド・ニギラウィさん(29)は取材に対し「今は何も考えられない。シリアは今までで一番の自由を享受している」と話した。 

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