北朝鮮衛星「非常に低性能」=光学画像のみ撮影可能―夜間や天候不良時の偵察困難・韓国軍分析 2024年10月10日 18時10分

北朝鮮が打ち上げた軍事偵察衛星=2023年5月(朝鮮中央通信が配信)(AFP時事)
北朝鮮が打ち上げた軍事偵察衛星=2023年5月(朝鮮中央通信が配信)(AFP時事)

 【ソウル時事】韓国軍は北朝鮮の軍事偵察衛星について、低画質の光学画像しか撮影できない「非常に低い性能」だとする分析結果をまとめ、10日までに国会へ報告した。与党議員が明らかにした。金正恩朝鮮労働党総書記は、今年中に衛星3基の追加打ち上げを目標に掲げており、韓国軍は「近いうちに打ち上げを試みる」と予想した。
 北朝鮮は2度の失敗を経て、2023年11月に衛星の打ち上げに成功。今年5月の打ち上げは失敗した。
 韓国軍は、北朝鮮が23年5月に打ち上げたものの失敗し、黄海に落下した衛星の残骸を回収。分析の結果、光学衛星と判断した。光学衛星は一般的に、夜間や天候不良時の偵察が困難とされる。性能は非常に低い水準だが、ロシアなどの支援によって「徐々に高まっている」と警戒感も示した。
 北朝鮮は21年に決定した「国防力発展の5カ年計画」で、偵察衛星打ち上げを目標に掲げた。韓国軍は、北朝鮮が同計画で示した他の兵器開発の状況分析も国会に報告。核兵器の小型化については、最後に実施した6回目の核実験から7年がたち「相当な水準の技術を確保した」と推定した。
 大陸間弾道ミサイル(ICBM)に関しては、17年以降に試験発射を繰り返したことで、米本土に到達できる飛行能力を一定程度確保したと分析。一方で、大気圏へ再突入する際に弾頭部を保護する技術は確立できていないと指摘した。「極超音速ミサイル」では、一部に技術的進展があるものの滑空技術を得られず、「いまだ開発段階」にあると説明した。 

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黄海で回収された北朝鮮の軍事偵察衛星を搭載したロケットの一部=2023年6月、韓国西部・平沢(EPA時事)
黄海で回収された北朝鮮の軍事偵察衛星を搭載したロケットの一部=2023年6月、韓国西部・平沢(EPA時事)

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