山間部の82人、ヘリで救出=邦人女性2人も―10人不明、孤立600人超・台湾地震 2024年04月05日 17時34分

5日、台湾東部の太魯閣(タロコ)渓谷で捜索を続ける救助隊員(中央通信提供)(AFP時事)
5日、台湾東部の太魯閣(タロコ)渓谷で捜索を続ける救助隊員(中央通信提供)(AFP時事)

 【台北時事】台湾東部・花蓮沖で発生した地震で、消防当局は5日、花蓮県の山間部から日本人女性2人を含む82人をヘリコプターで救出したと明らかにした。消防当局によると、5日午後時点で600人超が孤立。10人が安否不明で、捜索が続いている。同県では落石や建物の倒壊などで10人の死亡が確認された。
 台湾当局は5日、連絡が取れなくなっている被災者の捜索現場で新たに2遺体を発見したと明らかにした。遺体が収容され、身元が判明すれば、死者数は計12人になる。
 消防当局の発表では、観光名所、太魯閣(タロコ)渓谷のホテルと近隣施設で約500人が孤立している。日本人女性2人は同渓谷のホテルから救出された。キャンプ場や避難所となった小学校施設でも計100人以上が救助を待っている。
 救助隊は5日午前、ヘリコプターでホテルの上空に到達。救援物資を投下し、病人や妊婦、子供などの順に救出作業を開始した。ホテルや近隣施設には1週間程度の食料があり比較的安全な状況で、「がれきを撤去し道路が整備されれば避難できる見通し」という。このほか、渓谷のトンネルに取り残されていた観光客やホテル従業員ら9人も救出された。
 一方、発生直後に大きく傾き一部が崩壊した花蓮市のビルの解体が5日、始まった。解体作業には2週間ほどかかる見通し。 

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