銃乱射テロ2週間で「志願兵増」=ウクライナ黒幕説信用か―ロシア 2024年04月04日 15時27分

ロシア軍を支持するポスター=2日、モスクワ(AFP時事)
ロシア軍を支持するポスター=2日、モスクワ(AFP時事)

 ロシア国防省は3日、モスクワ郊外で3月に起きた銃乱射テロ後、国内でウクライナ侵攻の志願兵の採用が「大幅に増えた」と主張した。プーチン大統領はテロについて「イスラム過激派が実行した」と認める一方、ウクライナに「黒幕」がいると発言。信じる国民は多く、政権のプロパガンダが志願を促している可能性もある。
 死者140人以上の惨事から5日で2週間。政権が戦時の国内引き締めに利用する側面が浮かび上がっている。
 国防省の発表によると、過去10日間で約1万6000人が志願兵に応募。その大半は「テロ犠牲者の復讐(ふくしゅう)」が動機だと述べたという。独立系メディアは、テロ発生直前、志願兵の採用数が昨年秋と比べて「20分の1」に激減したと伝えていた。
 ウクライナはテロへの関与を否定。英紙フィナンシャル・タイムズが最近報道した世論調査では、ロシア国民の50%以上が「ウクライナ関与説」を支持。犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」(IS)を非難する人は27%にすぎない。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は3日、「ロシアが6月1日に30万人を動員する準備をしている」と指摘。独立系メディアは先に、ウクライナ北東部ハリコフ州占領のため「ロシア国防省が30万人派兵を計画中」と報じた。ただ、予備役招集は国内の反発が予想され、プーチン政権は志願兵を活用する方針とみられる。 

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