米中首脳が電話会談=今年初、関係安定化図る―習氏「台湾問題はレッドライン」 2024年04月03日 00時16分

バイデン米大統領(左)と中国の習近平国家主席(AFP時事)
バイデン米大統領(左)と中国の習近平国家主席(AFP時事)

 【ワシントン、北京時事】バイデン米大統領は2日、中国の習近平国家主席と電話会談した。緊張が続く台湾海峡や、中国がフィリピンと領有権を争う南シナ海の情勢について協議。閣僚級を含めた対話の維持を確認し、関係安定化を図った。米政府が発表した。
 米中首脳対話は昨年11月のサンフランシスコ郊外での対面会談以来で、今年に入り初めて。中国国営新華社通信によると、両首脳は「率直な意見交換」を行い、「意思疎通の維持」で合意した。
 習政権は「台湾独立派」と見なす頼清徳副総統の総統就任を5月に控え、台湾への軍事的圧力を強めている。バイデン氏は会談で「台湾海峡の平和と安定の重要性」を改めて強調。新華社によると、習氏は「台湾問題は越えてはならないレッドラインだ」と強調した。
 一方、南シナ海のアユンギン(中国名・仁愛)礁周辺では、中比の船舶がたびたび衝突し、不測の事態への危惧が高まっている。米比相互防衛条約の発動を示唆している米国は、バイデン氏から習氏に直接懸念を伝え、けん制したもようだ。
 新華社によると、習氏は、米国が経済や貿易、ハイテク分野での対中規制を強めていると指摘し、「中国の正当な発展の権利を奪うのであれば、座して見ていることはない」と警告した。 

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