空爆でNGO米英職員ら死亡=イスラエル首相「意図しない攻撃」―国際圧力の高まり必至 2024年04月02日 11時14分

2日、パレスチナ自治区ガザ中部で破壊された国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の車を見詰める人々(EPA時事)
2日、パレスチナ自治区ガザ中部で破壊された国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の車を見詰める人々(EPA時事)

 【カイロ時事】米ワシントンに拠点を置く国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」は1日、パレスチナ自治区ガザで食料支援を行っていた職員7人がイスラエル軍の空爆で死亡したことを明らかにした。犠牲になったのは、米国とカナダの二重国籍者、英国人、オーストラリア人、ポーランド人ら。
 空爆現場は中部デイルバラで、一行は車で移動していたところを狙われたとみられる。イスラエルのネタニヤフ首相は2日、ビデオメッセージで、「わが軍が意図せず無実の人々を攻撃した悲劇的事件だ」と述べ、空爆を認めた。軍報道官は、攻撃について「徹底的、かつ透明性をもって検証に全力で取り組んでいる」と強調した。
 WCKはX(旧ツイッター)で「人道支援に携わる人々と民間人は決して標的となってはならない」と非難。米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官もXで「大変憂慮している」と述べ、イスラエルに調査を要請した。
 イスラエルは、イスラム組織ハマスの壊滅を目指し、ガザ最南部ラファへの地上侵攻を計画している。今回の空爆を受け、戦闘の拡大を控えるよう求める米欧の圧力が一段と高まるのは必至だ。 

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