ガザ休戦交渉再開へ=イスラエル、代表団派遣を承認 2024年03月30日 05時55分

29日、パレスチナ自治区ガザ中部マガジの難民キャンプで、イスラエル軍の攻撃により破壊された建物(AFP時事)
29日、パレスチナ自治区ガザ中部マガジの難民キャンプで、イスラエル軍の攻撃により破壊された建物(AFP時事)

 【イスタンブール時事】イスラエル首相府は29日、パレスチナ自治区ガザで継続しているイスラム組織ハマスとの戦闘の休止と人質解放の実現に向け、ネタニヤフ首相が仲介国を交えた間接交渉への代表団の派遣を承認したと発表した。次回交渉は近日中に行われる見通し。ただ、イスラエルとハマスの主張の隔たりは依然大きく、進展が見られるかは不透明だ。
 イスラエルのメディアによると、対外情報機関モサドと国内治安機関シャバク(シンベト)の当局者が、カタールとエジプトに派遣される予定。首相府は声明で、代表団は「交渉前進のための指針を携えていく」と述べた。
 イスラエルとハマスは今月に入り、仲介国と共にカタールやエジプトで幾度も間接交渉を重ねた。しかし、ハマス側がイスラエル軍のガザ完全撤退やガザ避難民の北部帰還などを強く求め、イスラエルが「妄想じみた要求だ」(首相府)と拒否。米国が妥協案を提示して打開を試みたものの、交渉は行き詰まっていた。
 イスラエルが代表団派遣を決めた理由は不明だが、休戦を目指す姿勢を示し、米国や国際社会の反発をかわす狙いもあるとみられる。
 一方、米紙ワシントン・ポスト(電子版)は29日、バイデン米政権がイスラエルに対する新たな武器売却を承認していたと報じた。売却が承認されたのは、無誘導爆弾「MK84」1800発以上と、より小型の無誘導爆弾「MK82」500発以上のほか、ステルス戦闘機F35Aを25機など。ガザの人道状況が深刻化する中、国内外で批判が広がる可能性がある。
 在英のシリア人権監視団は30日、イスラエル軍による29日のシリア北部アレッポへの空爆で、死者が52人に上ったと伝えた。シリア軍兵士や、ハマスに呼応するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーらが含まれている。 

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29日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニス上空に立ち上る煙(AFP時事)
29日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニス上空に立ち上る煙(AFP時事)

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