「イスラエル弱体化」なら合意なし=ネタニヤフ首相、妥協否定―対ハマス休戦交渉 2024年03月18日 14時26分

イスラエルのネタニヤフ首相=17日、エルサレム(EPA時事)
イスラエルのネタニヤフ首相=17日、エルサレム(EPA時事)

 【イスタンブール時事】イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止と人質解放に向けた間接交渉に関し、イスラエルのネタニヤフ首相は17日、自国を「弱体化させる」合意では「和平を前進どころか後退させるだけだ」と述べた。仲介役を交えたハマスとの交渉が近くカタールで再開するとみられる中、ハマスに安易な妥協はしない姿勢を強調した格好。休戦合意までの道のりは依然厳しい状況だ。
 間接交渉は今月上旬、エジプトの首都カイロでハマスが参加して行われたが、イスラエルは出席せず、成果なく終了した。イスラエルのメディアによれば、同国政府は17日夜、カタールへの代表団派遣を了承。代表団は対外情報機関モサドのバルネア長官が率いており、18日に到着するもよう。協議はイスラエルとハマス双方が歩み寄りを図れるかが焦点だ。
 ハマスは交渉再開に先立ち、イスラエルが収監するパレスチナ囚人700~1000人と人質の一部を交換することなどを含む新たな休戦案を提示。ロイター通信によれば、交渉に詳しいパレスチナ側関係者は「イスラエル政府内の一部はハマスが以前よりも前向きになったと感じている。合意が差し迫っていると言えるかはネタニヤフ氏次第だ」と語った。
 一方、イスラエルが計画中のパレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの侵攻について、ネタニヤフ氏は17日、「われわれはラファで作戦を行う。それは必ず起こる」と撤回の考えがないことを強調した。ただ、約150万人の避難民らの退避を優先する意向を表明し、人命重視をアピールした。 

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