世界遺産委、インドで21日開幕=「佐渡島の金山」審議へ―ユネスコ 2024年07月20日 14時53分

「佐渡島(さど)の金山」の象徴である「道遊の割戸(どうゆうのわりと)」=5月15日、新潟県佐渡市
「佐渡島(さど)の金山」の象徴である「道遊の割戸(どうゆうのわりと)」=5月15日、新潟県佐渡市

 【ニューデリー時事】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が21日、インド・ニューデリーで31日までの日程で開幕する。日本政府が推薦する「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)を含む新規推薦案件は26~29日に審議される見通し。
 ユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は6月、佐渡金山に関し「登録」に次ぐ「情報照会」を勧告。昨年、情報照会勧告を受けた6件はいずれも登録されており、文化庁担当者は「遺産としての価値は認められている。登録を目指し鋭意準備している」と語った。
 登録には全会一致が原則だが、3分の2以上の賛成でも決まる。世界最大級の金生産地だった同金山では、太平洋戦争中に朝鮮半島出身者も働いていた。今回、日本と同じく委員国を務める韓国は「強制労働」があったとして反発している。
 イコモスは登録に向け、江戸時代より後の遺構が多い地区の除外などの要請に加え、戦時中も含め金山全体の歴史を説明する施設を整えるべきだとする「追加的勧告」も行った。韓国外務省関係者は今月17日、「日本と協議中だが妥結の余地がある」と述べ、韓国の立場に沿った追加的勧告に日本が従えば容認する可能性を示唆した。
 登録された場合、国内の文化遺産は2021年の「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森県など)に続き21件目。自然遺産を含む世界遺産は26件となる。
 今回は他に南アフリカが推薦した故ネルソン・マンデラ元大統領ゆかりの場所や、自然遺産なども含め全28件の審議が予定されている。 

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