「ロシアはNATO攻撃せず」=派兵発言の仏大統領と距離―伊外相 2024年03月17日 20時41分

イタリアのタヤーニ外相(EPA時事)
イタリアのタヤーニ外相(EPA時事)

 【パリ時事】イタリアのタヤーニ外相は、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領について「北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対する攻撃を望まないと思う」と述べ、ロシアの脅威を強調するフランスのマクロン大統領とは距離を置く姿勢を鮮明にした。ナツィオーネ紙が17日伝えたインタビューで語った。
 NATOには一つの加盟国に対する武力攻撃を全加盟国への攻撃と見なして行動する集団防衛条項があり、「世界最大の軍事同盟」と呼ばれる。タヤーニ氏はこれを念頭に、ロシアがNATO加盟国に万一攻め込めば「極めて深刻な失策になると(プーチン氏は)知っている」と主張した。
 その上で、ウクライナへの派兵を「排除すべきでない」というマクロン氏の訴えは「理解できない。NATOで議論されたこともない」と一蹴。ロシア寄りの極右勢力の台頭が予想される欧州連合(EU)欧州議会選挙を6月に控え、選挙戦を意識した発言の可能性があると分析した。
 マクロン氏は当初、対ロ穏健派だったが、最近は強硬派に一変。ウクライナ支援の制限は「敗北の選択」に等しいと警鐘を鳴らし、侵攻がウクライナの敗北に終われば「欧州に安全はない」と危機感を強めている。 

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