イスラエル参加で論争=ガザ侵攻批判、排斥の動きも―欧州音楽祭 2024年03月16日 07時44分

欧州最大の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」からのイスラエル排除を求めるデモ=2月17日、ストックホルム(EPA時事)
欧州最大の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」からのイスラエル排除を求めるデモ=2月17日、ストックホルム(EPA時事)

 【ロンドン時事】5月にスウェーデンで開かれる欧州最大の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」で、イスラエル代表の参加が論争の的となっている。パレスチナ自治区ガザの人道危機が深刻化する中、イスラエルの侵攻に抗議し排斥を求める動きが広がる。
 ユーロビジョンは欧州と周辺の各国代表がパフォーマンスを競い合う毎年恒例の音楽祭で、イスラエルも常連参加国だ。だが今回は、ガザ攻撃で戦争犯罪も指摘されるイスラエルの出場に他国から非難の声が続出した。
 スウェーデンでは1月、千人以上の音楽家がイスラエル排除を求める公開書簡に署名。フィンランドやノルウェーなどでも同様の動きが広がり、アイスランドでは作曲・作詞家協会が大会ボイコットを訴える声明を出した。ベルギーでは今月初め、政府高官2人が「多数の犠牲を出す言語道断の国際法違反行為を終わらせるまで」イスラエルの出場停止を要求した。
 ユーロビジョンでは2022年大会以降、ウクライナに侵攻するロシアが出場を禁止された。イスラエル批判派はロシアと同様に扱うべきだと主張する。しかし主催団体は、イスラエルには禁止措置を取らない方針を示している。
 今年のイスラエル代表で女性歌手エデン・ゴランさんの当初の候補曲は「オクトーバー・レイン(10月の雨)」。歌詞が昨年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲を指すとして物議を醸し、出場停止の可能性も浮上した。しかし、主催者の要請に応じて歌詞や曲名も変更され、今月上旬になって出場が正式に認められた。 

海外経済ニュース