G7、「広島プロセス」推進=半導体確保へ作業部会―閣僚宣言 2024年03月15日 23時33分

 【パリ時事】先進7カ国(G7)は14、15両日、イタリア北部トレントなどで産業・技術・デジタル相会合を開いた。生成AI(人工知能)の国際的なルール作りの枠組み「広島AIプロセス」の推進をうたった閣僚宣言を採択。経済安全保障上の重要性が高い半導体の確保へ作業部会を立ち上げ、情報交換を図る方針で一致した。日本からは河野太郎デジタル相らが出席した。
 宣言は、今年1月に日本からG7議長国を引き継いだイタリアの下でも「広島プロセスの成果をさらに前進させる」と表明。AI開発者らの責務をまとめた国際指針を普及させ、行動規範が守られているか点検する方策を議論していくこととした。国際的なデータ移転に関して日本が提唱する「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」の具体化に取り組んでいくことも再確認した。
 リスク、メリットの両面が指摘されるAIの活用を巡っては、G7各国が政府によるAI利用の成功例などを共有し、安全な導入に役立てる仕組みを設ける。中小企業が直面する課題も調査・分析し、年内に報告書をまとめる計画だ。
 AIの普及で南北のデジタル格差が一段と拡大する懸念があることから、アフリカなどの途上国支援に乗り出す。イタリアのメローニ首相は1月、今年のG7はAIとアフリカが主要議題だと述べていた。 

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