乱射テロ5年で追悼=銃規制見直しに疑念も―NZ 2024年03月15日 17時29分

ニュージーランドのラクソン首相=2023年12月、オーストラリア・シドニー(AFP時事)
ニュージーランドのラクソン首相=2023年12月、オーストラリア・シドニー(AFP時事)

 【シドニー時事】ニュージーランド(NZ)南島のクライストチャーチで2019年3月、モスク(イスラム礼拝所)2カ所が襲撃され、51人が犠牲となった銃乱射テロ事件から15日で5年となった。事件現場には遺族や住民らが集まって献花し、追悼の祈りをささげた。
 事件後、旧労働党政権は銃規制を強化した。だが、ラクソン首相は同日の記者会見で、現行の規制法には時代に合わない部分があるとして「見直しを進める」と表明した。保守連立のラクソン政権は他分野で旧政権の政策を相次いで転換しているため、規制が緩められる可能性への疑念も出ている。首相は「NZで銃が増えることはないと言ってきた」と述べ、懸念の払拭に努めた。
 テロは白人至上主義の極右思想に染まったオーストラリア人の男(当時28)が単独で実行。20年に仮釈放なしの終身刑の判決を受けた。男は犯行の数年前からオンライン上に、移民を「侵略者」と呼ぶなどの過激な投稿を行っており、こうしたヘイトスピーチ(憎悪表現)への規制強化を求める声も上がっている。 

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