脱北者、帰還事業で初提訴=北朝鮮に損害賠償請求―韓国 2024年03月15日 16時31分

15日、ソウル中央地裁前で、帰還事業を巡る損害賠償を求めて北朝鮮当局を提訴した李泰〓(日の下に火)さん(中央)ら
15日、ソウル中央地裁前で、帰還事業を巡る損害賠償を求めて北朝鮮当局を提訴した李泰〓(日の下に火)さん(中央)ら

 【ソウル時事】1959~84年の帰還事業で、日本から北朝鮮に渡った後、脱北して韓国で暮らす5人が15日、北朝鮮当局を相手取りソウル中央地裁に提訴した。北朝鮮で過酷な生活を強いられたとして、1人当たり1億ウォン(約1100万円)の損害賠償を求めている。原告は「『北朝鮮は地上の楽園だ』という宣伝にだまされた」と訴えている。韓国では初めての例という。
 支援団体の「北韓人権情報センター」によると、帰還事業では、在日朝鮮人ら9万3000人超が北朝鮮に渡航した。70代の原告、李泰※(※は日の下に火)さんは取材に「8歳の時に北朝鮮に送られ、厳しい弾圧と監視の下で抑留された。被害を法的に認めさせ、歴史を記録することに訴訟の意義がある」と強調した。 

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