ロシア大統領選の投票開始=プーチン氏圧勝へ「無風」―国民にしらけムードも 2024年03月15日 14時14分

15日、ロシア極東ウラジオストクで、大統領選の投票をする女性(AFP時事)
15日、ロシア極東ウラジオストクで、大統領選の投票をする女性(AFP時事)

 任期満了に伴うロシア大統領選の投票が15日、始まった。通算5選を目指すプーチン大統領(71)の圧勝が確実視される「無風選挙」で、一部国民にしらけムードも漂っている。政権は国営企業や大学などの組織票を頼りに、電子投票も併用し、投票率と得票率を高めて「正統性」を内外に示す狙いだ。
 投票は3日間で、カムチャツカ地方など極東から順次始まり、最西端カリーニングラード州の17日午後8時(日本時間18日午前3時)に締め切られる。即日開票で大勢が判明する。
 大統領選は2022年のウクライナ侵攻開始後初めて。昨年9月の統一地方選と同様、一方的な「併合」後に戒厳令が敷かれている東・南部4州でも投票が行われた。
 国境に近い西部各州では12日以降、ウクライナ側のロシア人武装勢力やドローンによる越境攻撃が相次いだ。プーチン氏は国営メディアに対し、大統領選の妨害が目的で、ゼレンスキー政権の前線での苦戦が背景にあると主張した。
 「共に前進するため、われわれの団結と決意を再確認する必要がある」。プーチン氏は14日、投票を呼び掛ける声明を発表。西側諸国との対立が続く中、「祖国の運命を決めるのはロシア国民だけだ」と訴えた。
 政権は、選挙に乗じた反体制派の動きにも神経をとがらせる。2月に獄死した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏を「外国のスパイ」と決め付け、同氏の支持者らが投票所で計画する事実上の「デモ」をけん制している。
 候補者は4人で、08年と並んで過去最少。反戦を掲げるリベラル系は出馬を認められなかった。全ロシア世論調査センターによると、予想得票率は▽プーチン氏82%▽共産党のハリトノフ下院極東・北極圏発展委員長6%▽政党「新しい人々」のダワンコフ下院副議長6%▽極右・自由民主党のスルツキー下院外交委員長5%―の順。 

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