ハマスが休戦案、イスラエル難色=人質解放後に恒久停戦要求―軍、配給待ち住民攻撃を否定 2024年03月15日 14時03分

14日、パレスチナ自治区ガザ中部のブレイジで、食料を抱える子供(AFP時事)
14日、パレスチナ自治区ガザ中部のブレイジで、食料を抱える子供(AFP時事)

 【イスタンブール時事】パレスチナ自治区ガザでイスラエルとの戦闘を続けるイスラム組織ハマスは14日、戦闘休止に向けた間接交渉で、仲介役のカタールなどを通じて新たな案を提示した。イスラエルの戦時内閣は15日に対応を協議したが、首相府は同日の声明で「非現実的な要求」と改めて難色を示した。ただ、イスラエルは交渉継続のため、カタールへ代表団を派遣する方針を明らかにした。
 ロイター通信によると、ハマスの案では第1段階で、ガザで拘束下にある人質の女性や高齢者ら一部と、イスラエルが収監するパレスチナ囚人700~1000人を交換。第2段階で全ての人質解放と囚人釈放を実現させるほか、恒久的な停戦やイスラエル軍のガザ撤退の期限についても合意を目指すという。
 ハマスは「包括的なビジョン」と主張したが、ハマス壊滅を掲げるイスラエルのネタニヤフ首相は恒久停戦や軍撤退にかねて反対の立場を示してきた。ハマス案に反発する一方で、戦時内閣は15日、軍がまとめたガザ最南部ラファ侵攻に向けた作戦計画を承認した。
 一方、11日にイスラム教のラマダン(断食月)に入ったガザでは食料難が深刻化している。ガザ保健当局によると、北部では14日に食料配給を待っていた人々が攻撃を受け、少なくとも21人が死亡、150人以上が負傷した。イスラエル軍は攻撃を否定している。 

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