日鉄の買収に懸念表明へ=バイデン氏、岸田首相訪米前に―報道 2024年03月14日 04時41分

バイデン米大統領(EPA時事)
バイデン米大統領(EPA時事)

 【ワシントン時事】複数の欧米メディアは13日、バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画に深刻な懸念を表明すると伝えた。再選を目指す11月の大統領選をにらみ、支持基盤の労働組合が買収に反対していることを考慮。安全保障や産業基盤、雇用に悪影響を与える恐れに言及するとみられる。
 報道によると、バイデン氏は4月10日に予定されている岸田文雄首相の訪米前に声明を出す見通し。日本政府にも非公式に伝えたという。英紙フィナンシャル・タイムズは、反対を明言しない方向だと伝えた。
 日鉄は昨年12月、USスチールの買収を発表した。ただバイデン政権は、安保やサプライチェーン(供給網)の信頼性を巡る観点から「真剣な精査」をすると表明。「適切であれば対応する用意がある」と説明していた。米議会からは買収に反対の声が上がっている。
 日鉄の買収計画は現在、米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)が安保の観点から審査している。リスクが大きいと判断すれば、大統領に阻止を勧告できる。 

海外経済ニュース