対ハマス圧力で交渉進展か=ガザ戦闘休止で仲介国―イスラエル紙 2024年03月13日 17時26分

12日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍の空爆で破壊された建物付近を歩く住民(AFP時事)
12日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍の空爆で破壊された建物付近を歩く住民(AFP時事)

 【イスタンブール時事】イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止を巡る交渉で、地元紙タイムズ・オブ・イスラエル(電子版)は13日、合意に向け「大きな進展」があったと伝えた。ハマスと緊密な仲介国の一つのカタールが、首都ドーハを拠点とするハマス政治指導部を追放する可能性も示唆し、ハマスに交渉妥結への圧力をかけているという。ただ、カタール外務省報道官は12日に「合意が近いとは言えない」と述べており、見通しは不透明だ。
 報道では、交渉は約6週間の戦闘休止中に女性や負傷した人質の解放を皮切りに、停戦などを協議する案を軸に進んでいる。人質と引き換えにイスラエル側がパレスチナ囚人を釈放するが、同紙はアラブ高官筋の情報として、ハマス側が当初掲げた釈放者数の要求を引き下げたと報じた。
 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日、「6週間またはそれ以上の休戦は現在、テーブルの上にある。もしハマスが単純に女性や負傷者、高齢者を解放すればだ」とハマスの軟化を促した。
 食料不足が深刻なパレスチナ自治区ガザに向け、地中海の島国キプロスからは12日、NGOなどが用意した食料200トンを積んだ船が出港。陸路での物資搬入を補完する役割が期待され、数日以内に第2陣の船も出港する見通しだ。ただ、AFP通信によると、国連高官は現在の量では「(陸路の)有益な代替手段とはなり得ない」と述べた。国連の世界食糧計画(WFP)は12日、支援物資を積んだ車列が2月20日以来初めて北部ガザ市に入ったと発表した。
 一方、イスラエル軍のガザ空爆は12日夜から13日も中部デイルバラなどで続き、中東メディアによると数十人が死亡した。 

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12日、地中海の島国キプロスからパレスチナ自治区ガザへ向かう支援船(支援団体「ワールド・セントラル・キッチン」提供の動画より)(EPA時事)
12日、地中海の島国キプロスからパレスチナ自治区ガザへ向かう支援船(支援団体「ワールド・セントラル・キッチン」提供の動画より)(EPA時事)

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